“つながる”から“ビジネスエージェント”へ、LINEヤフーが目指すAI×CX/BXのかたちとは
by 林雪絵 · マイナビニュースLINEヤフーは10月27日、「LINEヤフー BIZ Conference 2026」を開催した。今回のテーマは「Build Your Business W!th LINEヤフー」である。
幕開けを飾ったのは、法人向けプラットフォーム「LINEヤフー Business OS」などの新たな取り組みが発表されたKeynoteだ。その他に、LINEを活用したマーケティングを行う企業が登壇したSession、新機能のデモンストレーション体験などが行われ、多くの参加者が集まった。
本稿では、LINEヤフー 上級執行役員 コーポレートビジネスドメイン ドメインリードの池端由基氏と、同 上級執行役員 コーポレートビジネスドメイン ドメインCPO ビジネスPF SBU SBUリードの二木祥平氏が登壇したKeynoteの様子をまとめる。
必要なのはAI対応ではなく、顧客体験の再設計
講演の冒頭、池端氏は「昨今、AIが急速に進化・発展をして、私たちを取り巻くビジネスの環境や前提が非常に大きく塗り替えられつつある」と語ったうえで、「技術のフロンティアは1日1日進化している。しかし、生活者やユーザーにおいては、それらが日常の当たり前にまではなっていない」と続けた。
「LINEヤフーの使命は、最先端のAIのテクノロジーを誰もが意識をせずに使える生活やビジネスのインフラへと落とし込んでいく、マスへと届けていくことです」(池端氏)
そのうえで同氏は、AIによってユーザーの購買行動が劇的に変化している実情を示した。従来、ユーザーはWebサイトで情報を検索するところから購買行動を開始していた。しかし、AIの登場により、現在はAIとの対話から購買行動が始まるようになった。調査では生成AIの検索利用率は52.3%、AIのおすすめをきっかけに商品やサービスを購入・利用した経験のある人も58.75%にのぼっているという。
ただし、検索されなくなったわけではない。AIがおすすめした商品やサービスをさらに詳しく検索すると答えた人は77.3%となっており、「AIが候補をつくり、検索が確信をつくる」流れに変化しているのだ。
これらを踏まえ池端氏は、カスタマージャーニーが多様化していくなかで、「企業自身も独自のAIを構えて、あらゆるルートの顧客接点に備えるべき」だと力を込めた。
「AI対応をするのではなく、顧客体験の再設計が必要です」(池端氏)
その顧客体験を支えるプラットフォームとなるのが、今回発表された「LINEヤフー Business OS」である。「LINE公式アカウント」を中心に、広告や検索、「LINEミニアプリ」などのサービスをつなぐ「Connect One」を進化させ、顧客体験だけでなく、それを支える企業の仕組みも変革すると、同氏は説明した。
「顧客体験の向上に加え、ビジネス体験を劇的に進化させる新たなビジネスOSを目指します」(池端氏)
顧客体験をアップデートする新サービスとは
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ここからは二木氏が登壇し、2026年に開始した取り組みや今後の展望について話した。
「LINEヤフー Business OS」は、顧客体験に関する「出会う」「つながる」「対話する」「購入/利用する」と、ビジネス体験に関する「育てる」「業務を回す」「分析する」「運用する」という8つの機能を有する。
「出会う」においては、広告の配信ロジックのアップデートやデータ基盤の刷新が行われたという。また、2026年12月からは新たな配信面として、「Yahoo! JAPAN」アプリのトップページでのオープニングスクリーン広告を開始することなどが発表された。
「つながる」では、10月1日から先行リリースされている「LINEシリアルコードスタンプ」の取り組みを紹介した。
「対話する」では、広告クリックの遷移先となる「LINE公式アカウント」内で、広告をクリックしたユーザーとチャットコミュニケーションが可能になる「チャット誘導広告」などが始まる。
同氏が「CXのラストワンマイル」と呼ぶ「購入/利用する」では、2026年11月から一部機能の提供が始まる予定の「LINE公式アカウント AIモード」などが挙げられた。さらに今後は、AIとの対話で誰もが簡単にミニアプリを作成できる新サービス「LINEマイアプリ(仮称)」の構想もあるそうだ。
ビジネス体験を変える“ビジネスOS”へと進化
続いて二木氏はビジネス体験の機能に話を進めた。
そのなかで大きく取り上げられたのがカンファレンス当日にリリースされた「Agent I Biz」である。これは「育てる」「業務を回す」「分析する」「運用する」に関わる市場やマーケティングの分析、公式アカウントや広告の運用をAIが支援するサービスだ。講演では実際に「Agent i Biz」を呼び出し、会話するデモンストレーションも披露された。
「全てのビジネスプロセスを、ビジネス版のエージェントで支え、あらゆる業務を支えるビジネスOSへと進化していきたいと考えています」(二木氏)
最後に同氏は「いよいよ次のステージに入った。AI時代となるこれからのプロダクトの進化にもご期待いただきたい」と述べ、Keynoteを締めくくった。